企業内診断士Rのブログ

診断士登録7年目。企業で働く中小企業診断士のブログ。

続・ダブルライセンスは必要?~ランキング編

診断士Rです。

 

ダブルライセンスの必要性について、私はあくまで基本的にはNO(前回記事参照)の立場ですが、仮に取るならどれ?というのをランキング形式で纏めていきたいと思います。

なお、私は原則として資格の勉強よりも経験に時間を投資すべきと考えており、裏を返せばそれなりのレベルの資格でないとダブルライセンスの意味が無い、という立場ですので、難易度の高いものが中心になります。

bluelart.hatenablog.jp

 

 

1位 司法書士

 総合的コスト    ☆☆

 単独リターン    ☆☆☆

 診断士とのシナジー ☆☆☆

まずは司法書士です。ご存知の通り登記の専門家ですね。理由は何と言ってもリターンとシナジーです。商業登記業務は中小企業においても必須ですし、民法・商法(会社法)の専門性の高さから、中小企業であれば企業法務における契約書等のリーガルチェックも十分に対応可能です。更に、少額訴訟の代理権も付与されています。試験そのものの難易度はとても高いですが、受験資格なし、試験さえ受かれば即登録可能なので時間的コストが実は高くないのも大きな魅力といえます。

 

2位 税理士

 総合的コスト    ☆(~☆☆)

 単独リターン    ☆☆☆

 診断士とのシナジー ☆☆☆

続いて税理士です。税務も中小企業にとってのニーズは申し分なく、会計と税務は表裏一体ですからシナジーも相当高いです。科目合格制があり若干ハードルは低いですが、受験資格制限があり、かつ税務or会計の2年間の実務経験が登録要件ということで、時間的コストが高いのがネックです。経済学部卒、かつ金融機関或いは事業会社の財務部や経理部等での実務経験がある場合はその辺りがネックにならない為、同率1位と言っても良いかと思います。

 

3位 弁理士

 総合的コスト    ☆☆

 単独リターン    ☆☆

 診断士とのシナジー ☆☆

続いて弁理士です。特許の専門家です。製造業を強みにしたい診断士には魅力的な資格で、受験資格はなく登録要件も若干の研修程度と時間コストは低めです。独占業務の報酬も高めと言えます。製造業以外でもブランディングは中小企業にとって重要なテーマでもあり、商標含めワンストップで扱えるのは強みになるでしょう。…と、理想はそうなのですが、現実問題としては知的財産関係の仕事は大企業がメインであり、中小企業ではそこまで…という感じだと思っています下町ロケット」のように、大企業と町工場がガチで特許でやり合うみたいな場面は現実ではまずないでしょう。

 

4位 社会保険労務士

 総合的コスト    ☆☆☆

 単独リターン    

 診断士とのシナジー ☆☆

試験の難易度が診断士よりやや易しい程度、ということで人気の社労士ですが、独占業務単独でのリターンがかなり微妙です。労働環境改善や生産性向上に関するトピックは働き方改革の流れのなかでニーズが高いのも事実ですが、その辺のアドバイスの為に社労士の資格は必須ではないでしょう。

 

圏外① 弁護士(法曹)

原則3年のロースクール(予備試験のルートもあるにはありますが…)、1年の司法修習と時間コストがかかり過ぎます。かつ弁護士はボリュームゾーンが新卒者ですから、実際のところ学歴と職歴がモノを言う世界で、苦労して社会人受験をしても単独リターンにはやや疑問符が付きます(そもそも、お金さえ取らなければ法律相談も代理行為も資格は必要ありません)。

 

圏外② 不動産系(不動産鑑定士土地家屋調査士宅建等)

診断士とのシナジーが皆無に等しいです。不動産鑑定士は最近科目合格制が導入され難易度の割にステイタスが高い資格ですが、実務修習のコストが高過ぎます。

 

圏外③ 情報処理技術者

独占業務がないので、独立の為と考えた場合は資格を取る意味があまり見出せません。ペーパーテストの為に余計な知識も含めて勉強するよりは、実務的な知識と経験を積んでいった方が間違いなく付加価値に繋がるでしょう。

 

以上です。一応順位は付けましたが、実際には司法書士・税理士>(越えられない壁)>弁理士・社労士>>>>>その他と思っています。

 

ちなみに、じゃあ独占業務の無い中小企業診断士って何なの?というところですが…経営コンサルタント」ってただでさえ胡散臭い響きを内包しているので、それを払拭できるだけでも、かなり有効なのではないかな、と個人的には考えています。

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