企業内診断士Rのブログ

診断士登録7年目。企業で働く中小企業診断士のブログ。

企業内診断士の実情~理論と実践①・標準原価計算

 診断士Rです。

 

企業内診断士ブログなので、企業勤めで診断士資格がどのように役立っているか、について記載していきたいと思います。同じく企業内診断士の方とは色々と情報連携したいな、と思いますし、受験生の方にとっても参考にしていただければと。

とは言え、私は製造業に勤務しているので、資格だけで待遇が上乗せされたりすることもないですし、仕事上の利点も薄いので名刺等にも記載はしていません。金融機関等にお勤めの方は事情は異なる場合もあると思いますが、製造業にお勤めの方は大体どこも似たりよったりなのでは?と推察します。いわば「名目的な役立ち方」はしていない為、「勉強したことや経験したことが実務でどう活きているか」といった実質的な内容になります。

 

第一回は、「財務・会計」について書きます。診断士試験の中でもっとも汎用性が高い部分であることに異論はないと思います。経営診断・補助金申請等、診断士としての本務においてもクライアントの予測財務諸表を作成することはベースになります。

もっとも「企業内診断士」の場合、ある程度の規模の会社であれば予測財務諸表の作成や投資採算性の検証等にかかる手続きは定式化されているのが普通で、この辺ができることだけではあまり大きな強みにはならないでしょう。

 

私が「財務・会計」の知識のうち実務で最も活用しているのは、原価計算です。

中規模以上の製造業であれば、傘下に関係会社を持っているはずで、製造関連会社も一定数あると思います。そうした会社群を戦略の中に位置付け、全社最適を考えていくにあたって一つハードルになり得るのは、管理会計の水準の違いです。そもそも原価計算すら実施していない場合も多々あります。

そうした場合の解決策の一つは、ある程度統一された原価計算の仕組み、特にマネジメントの観点から望ましい標準原価計算によるPDCAを導入することです。

 

大企業の経理業務を経験していれば一から標準原価計算の体系を組み立てられるか、というと、例え対象が中小規模の会社であっても簡単にはいかないと思います。大企業の場合は高度に完成された原価計算システムを構えている為、背後の計算理論等を知らなくても実務が回ってしまう為です。

更にもう一つ陥りがちな失敗が、中小規模の関係会社に対して本体と同等水準の甚だtoo muchな仕組みを導入しようとしてしまう、というもの。これは企業勤めの場合、自社の管理方法ありきで知識が構築されていることや、中小企業にとってはシビアな問題である「リソースの制約」への配慮の欠如、この辺りが要因になっていると思います。

 

①診断士の勉強を通じて、理論をしっかり勉強したこと、そして②診断士を取得した後も、中小企業の実情に触れる機会が多くあること、が実務で役に立った一つの例だと考えています。

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